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元徳の板碑

元徳の板碑は、上余田字大徳囲の伝八王子屋敷跡に残されている石碑です。板碑とは、板状の石に仏を表す梵字や年号、造立の目的などを刻んだ中世の供養塔の一種です。その石碑には、元徳3年(1331)の年号や「右為六十六部旦那 四十八日念願」の文字が刻まれており、室町時代に始まったとされる、全国六十六ヶ所の霊場に書写した法華経を納めに巡る風習が、すでに南北朝時代に行われていたことが分かります。また、「余田政所」という文面から、鎌倉時代後半頃の名取郡の政治のあり方を知ることができ、この付近に領地の管理などを行う「政所」が設置されていた可能性を示しています。

※ 政所・・・平安時代中頃から将軍家、摂関家、有力寺社や荘園などに設けられ、それぞれの庶務等を執行する機関のこと。

【住所】上余田字大徳356